<FNSドキュメンタリー大賞>隔離の壁を超えた白球
- 10/4 (Sat) 2:45 ~ 3:45 (60分) この時間帯の番組表
- フジテレビ(Ch.8)
-
番組概要
全国のハンセン病療養所ではかつて野球が盛んだった。差別され社会から隔絶された暮らしの中で、野球に生きる希望と活力を見出した患者たちの青春と情熱の日々を見つめた。
番組詳細
2023年1月、熊本県合志市にある『国立療養所菊池恵楓園』にかつて『オール恵楓』と呼ばれた園内選抜野球チームの復刻ユニホームが届いた。園では患者の外出を制限するコンクリ―ト塀『隔離の壁』が1929年に構築され、翌年から患者3チームと職員1チームが対抗戦を開始。やがて新しい野球場が造られ、高校や企業などのチームが試合に訪れるようになった。『オール恵楓』は1952年9月、初の県外遠征に出発。鹿児島県
鹿屋市にある国立療養所星塚敬愛園に1週間滞在して4試合を戦った。メンバーだった田中照幸さんは当時を懐かしく振り返った。翌年には『オール敬愛』が恵楓園に遠征。そして1955年に『オール恵楓』は再び鹿児島に遠征。田中さんは満塁ホームランを打った。入所者自治会の太田明副会長は1959年に園内の分校を卒業し、岡山県にある国立療養所長島愛生園にあった県立邑久高校新良田教室に進学し、野球部に入部。1960年
8月、太田さんら野球部員は東日本5カ所の国立療養所を列車で巡る遠征旅行を敢行した。2023年7月、太田さんは復刻ユニホームを着て、合志楓の森中学校野球部とキャッチボールを楽しんだ。太田さんが使った青いグローブは「ホークスの守護神」馬原孝浩投手から贈られたものだった。辛い日々の中で入所者たちを勇気づけてくれた野球。その快音と応援の声が響いた野球場は取り壊され、新しい球場に生まれ変わる時を待っている。
田中照幸 太田明 馬原孝浩 ほか 【ナレーション】 寺田菜々海(テレビ熊本アナウンサー)
【編集・MA】 可児浩二 【構成・ディレクター】 池島勇三 【プロデューサー】 古閑康弘
最終更新日時: