番組概要
英語で被爆証言をする被爆者小倉桂子さんに5年間密着。核保有国アメリカの若者と交流し、心を変化させていく様子を通し被爆の継承の在り方を考える。
番組詳細
英語で被爆証言をする被爆者小倉桂子さん(88)。その5年間に密着したドキュメンタリー。年間2000人のペースで国内外の人に被爆の実相を伝えている小倉桂子さんは、もともとは専業主婦だった。しかし、原爆資料館の館長も務めた夫の死後、独学で英語を学び、夫の志半ばだった思いを引き継ぐ形で、平和活動に携わり始めた。8歳で被爆した小倉さんは、幼い時の経験がトラウマとなっている。そのため、同じ思いを子供たちにし
てほしくないと願い、継承活動を続けている。被爆体験証言者の中でも、英語で証言ができる人は貴重だ。そのため、2023年5月のG7広島サミットでは、たった一人で、各国の首脳やウクライナのゼレンスキー大統領に証言する代表に選ばれた。また、2024年12月の日本被団協がノーベル平和賞を受賞した際には、関連行事で被爆証言を依頼された。カメラはそうした裏側にも密着した。一方で、核保有国アメリカの若者とも濃密な
交流をしていく。小倉さんのメッセージにより、核への考え方が変わり、行動にうつしていく若者の変化にも密着していく。被爆者の平均年齢は今年3月末時点で86.13歳となった。その原爆体験をどう継承し、次世代の平和へつないでいくかは喫緊の課題となっている。小倉さんとその周囲の人たちを通して、被爆の継承の在り方を被爆80年の節目に考える。
【ナレーション】草刈正雄
【取材・構成】石井百恵 【編集】澤江哲史 【MA】講﨑友蔵 【プロデューサー】黒川陽央