番組概要
「和製英語」は日本人の想像力が作り出した「日本語」!?言葉を知ると、その国の人と文化が見えてくる。日本を愛してやまないアン・クレシーニさんのお話です。
番組詳細
1997年の来日当初、私は全く日本語が話せず毎日が孤独でした。引っ越し先のマンションで「つまらないものですが」という言葉を練習して、洗剤を持ち挨拶に行くと、中から「誰ですか?」と聞かれて意味が分からず、思わず「ガイジンです」と返しました。この出来事がきっかけとなり、一生懸命日本語を勉強していく中で、言葉は人と人をつなぎ、その国の文化ともつながっていると知りました。今では日本と日本語が大好きです。
12年前に「和製英語」に出会いました。初めは「変な英語」という印象でしたが、ある論文で「和製英語は日本語」だと知り、驚きました。それから「和製英語」は想像力豊かな魅力溢れる言葉だと思うようになりました。 日本にある「外来語」は、もとの言語と意味が同じで、発音しやすく工夫されています。例えば[アイスクリーム]は英語圏でもそのまま通じます。でも「和製英語」は英語圏では通じないし、使われていません。
一方で、日本人が発音しやすく、聞き取りやすく、想像しやすいという特徴があります。例えば和製英語の[ランニング・マシーン]は「走る・機械」だとすぐ分かりますが、英語だと[treadmill(トレッドミル)]で、意味が想像できません。 「外来語」か「和製英語」かの区別をむずかしく考えず、好奇心を持って調べることで語彙力も増え、知識も広がります。ぜひ好奇心を持って「和製英語」の世界を楽しんでください。
【講師】 アン・クレシーニ(北九州市立大学准教授) 【司会】 北村花絵(テレビ静岡アナウンサー) 【手話通訳】 石川ありす