番組概要
人間関係、仕事、お金、それぞれの悩みを解決するヒントが落語にあった!心にゆとりがもてる、やさしい落語の世界を立川談慶さんが紹介します。
番組詳細
落語を聴くと笑えるばかりか、心がほぐれるのはなぜだかご存知ですか。落語が「ダメ」な人間をベースに書かれているからです。今の世の中は、良いか悪いか、という[二元論]に追いやられていますが、落語は「良いも悪いも」という[一元論]の世界なわけです。「マジメ」でも「不マジメ」でもなく「非マジメ」なのです。この落語を、悩んだ時に生かしてみましょう。例えば「人間関係の悩み」には「長屋の花見」という落語。
ある日、貧乏長屋の住人たちが大家に呼び出され「酒とつまみは受け持つから花見に行こう」と言われます。いぶかりつつ出かけてみると、お酒は番茶を煮出した[お茶け]、卵焼きは[たくあん]、かまぼこは[大根の漬物]だった。酔わない酒(茶)を飲みながらも、酔ったふりをして楽しく過ごしていると、住人の一人が大家に言います。「近いうちに長屋にいいことがありますよ」「なんでだい?」「見てください、酒柱が立ってます」
酒に見立てた茶を飲んでいるため、「茶柱ならぬ酒柱が立った」というオチです。 この落語から、人間関係で辛いことがあったら一人で背負わず、悩みも割り勘でいいんだと思えます。また、お酒やごちそうを別のものでごまかす「妄想力」は、いわばマイナスな物事をプラスに転換するヒントになります。悩んだり傷ついたりした時こそ落語を聴いて、ちょっと心にゆとりを持つ。落語とはそんな付き合いでいていただけたらと思います。
【講師】 立川談慶(落語家) 【司会】 北村花絵(テレビ静岡アナウンサー) 【手話通訳】 石川ありす