作者がOK出しているなら、テレビはテレビで楽しんで観たい。そして原作も読んでみたいです。仲代さんが出ない世界はあまりに殺伐しているように思うけど。

原作読んだら不満が出るかもしれないから、
これからも読まないよ。
原作とここが違い、ああだこうだと評論家になるつもりは
ないから。
あくまでもテレビドラマ内での評価。
自分は「面白ければ着色大いに結構」というスタイルだから。

一切読書をせず、テレビしか見ない人に言いたい。
『破裂』は原作を読んでください。
このドラマがどれだけ原作とは遠く遠く脚色されているか。

ＰＰＰイコール・ピンピンポックリとこのドラマでは言ってますが、そんなフレーズはなし。
ＰＰＫ・ピンピンコロリです。原作者も著書の末尾で参考文献として『ＰＰＫのすすめ』として掲載しています。

親を知らずに育った倉木蓮太郎が彼の子の香村鷹一郎との接しかたが分からず、鷹一郎が冷酷な医師になったとしたら、佐久間もあの徹底した悪人になるためにはどんなトラウマがあったのでしょうか。
香村直輝役の里村洋くん、子供なのに成熟した大人の苦渋に満ちた表情をしていて心を打たれました。

佐久間の提唱する「ピンピンぼっくり」。
悪役官僚の佐久間にこんなに世間の支持が集まるとは．．．
脚本家も予想できなかったのではないかな（苦笑）。

悪役官僚の
佐久間和尚役の滝藤賢一さんが最高に素敵です（笑）。
主役を喰っているのではないの？
痛快！

スタッフの一員なのに、厨（あわや）忠彦は何故、香村を
裏切った？認知症の母が生きているだけで、晩節を汚し、
ただそれを見ているのか辛いからか。
官僚の佐久間はさすがに喰えない奴。
ＰＰＧ（ピンピン元気で、医者知らず）作戦のキャンペーン
で寝たきり老人を減らし、心臓破裂であっという間に老人を
安楽死させ数を減らすか。

あくまで個人的な感想ですが仲代達矢さんの雨のシーンは、
私は映画の「影武者」をちょっと連想しました。

あのシーンは「親」というものを知らず、親になりきれなかっ
た倉木と医者の香村との関係が
「患者と医者」の関係から「親と子」に変わるきっかけに
なるシーンだと思いました。

第4回はたぶん原作には無かったはずの香村三代の物語でした。「ノガミ」で何を訴えたかったのか。仲代達矢を出演させるために入れたのか。やや感傷的な場面でこのドラマには違和感がありました。私に感動できず白けました。香村は研究のためには熱意はあるが人間としてはかなり歪だと認識していました。香村のキャラに筋が通らず戸惑いました。その点、佐久間は徹底していました。

もうすぐ（30分ほどしたら）『破裂』が始まります。佐久間のあの憎々しい演技が「行間を読む」ことで成っているのですか。役者って凄いです。原作なら縷々描写できるのに演技者は表情から多くのことを言わねばなりません。これからはしっかりと所作、物腰、表情を読み取ります。

土曜スタパ見ました。
「行間を読む」という言葉がありますが、あそこまで、台本を
読み込んで、大量に台本の行間にメモしている滝藤賢一さんに
驚嘆。
さすが．違いますねえ。本物の役者の方は。
今日の放送も楽しみです。

『破裂』を見始めてから土曜日が待たれるねえ。
善人揃いのお涙頂戴のドラマなど、見ている時間がもったいない。奥行きがあるというのか厚みのある人物がいろいろと画策し、かたや相手に仕組まれたり、人間の絡み合いが面白い。原作がいいとこんなドラマに仕上がるのだ、という見本のような番組です。

明日でしたね、明日。
ＮＨＫ土曜スタパに私の大好きな悪党役の天才官僚、
佐久間和尚役の滝藤賢一さんが出られますね。
楽しみです。

政府の言う、わけのわからん「１億総活躍社会」
とかいう絵に描いた餅のようなプランよりは、
佐久間の提唱する「プロジェクト天寿」のほうが
具体的で分かりやすく、実効性があるね。

あんまり未来を先取りして不安を煽るのも如何なものか。高齢者をこの国を亡ぼすように言うけど、その老人から年金を吸い上げて、いまや老人産業はほくほくです。老人が全部、消滅したとせよ。それに関わって収入を得ていた人は全員失業ですよ。よぼよぼの老人もそれなりに役にたっているのだよ、佐久間クン。

医学は香村のような研究者によって進歩しているのですね。臨床医はその研究の成果を患者の治療に使用している。私のような素人はすべて臨床医のお蔭と思い込んでいましたが。基礎医学があっての臨床医学であることを知りました。香村のように両方をこなしている医学者もいるし。医学界も奥が深いですねえ。

ベビーブームに生まれた世代たちが未曾有のご長寿となる
国、日本。
このまま放置して推移すれば、やがて日本は滅びるという
危機感があるのだろうね。

「天寿」天から授けられた寿命。
「長寿」寿命が長いこと。長生き。長命。
以上、広辞苑より。
佐久間は「長寿」ではなく「天寿」を推奨しています。
天寿は天から定められた寿命の意があり、長寿には天寿を生き、その上に人工的なプラスアルファが加わり、天寿よりも長く生きることでしょうか。それは日進月歩の医学によって齎されるもの。医学の発達が人の命をより長くする。幸福でしょうか。

香村は心不全の患者を救うために、その画期的な薬を生み出そうと励んでいます。それを市場に乗せてその名を世間に知らしめ教授になりたいという野望もあるでしょう。当然です。野望こそが研究者を追い立てるエネルギーです。しかし視聴者は研究者に野心のあることを嫌います。純粋に患者のことのみを思う研究者を常に求めて止まないのです。それではドラマが浅くなります。このドラマは正義家気取りの人間がいないのが魅力です。

老朽化した家の壊れてきた一部を改築しても、やはりまた何処かが傷みます。人間の身体も同じ。老化した心臓だけを点滴液で新品にしても、血管などが付いてゆかないのでしょう。無理をして爆発。老化は仕方のない現象です。
自然の法則に従ってそれを受容する。若い世代に次の世は任せて「老兵は去る」のみ。いらぬ治療はするな。

さーて。香村は手術中に本当に針を忘れたのでしょうか。名医のほまれの高い香村がそんな初歩的なミスをするでしょうか。誰かに罠に嵌められたのかも。椎名桔平さんは冷酷な役柄もうまくこなします。

鳩は平和の象徴で国民に愛されていた時期がありました。マジシャンの袖の下より飛び出て来た白い鳩。美しいでした。今やマンションのベランダに来て糞をして嫌われ者になっていますが。老人も少し前までは人生哲学をもつ思索的な存在として尊敬の対象でした。しかしここまで増えると厄介極まりない集団に成り果ててしまいます。いつの世も稀少価値という言葉があるように増えると価値が半減します。困ったねえ。

佐久間和尚は少しえぐいけど、国民の誰もがこういう猪突猛進的な官僚をまっているのかも。みんなに好かれ、失言は極力避けて「何にもしない」で高い給金をとっている今の官僚に比較したら、佐久間は非難轟々を覚悟でこの国を変えようとしている。これは作者の願望でもあるのでしょうか。日本特有のセンチメンタリズムでは許容されない発想です。

このドラマで初めて知った作家「久坂部　羊（くさかべ　よう）」さん、私はあなたの大ファンになりました。それで『破裂』は読了。もっともっとあなたに触れたくて図書館にて『廃用身』『芥川症』を借りて来ました。まだまだあなたの作品はありました。この秋の夜長はゆっくりとあなたの世界にひたります。ＮＨＫさん、良い作家を教えてくださり深謝です。

確かに官僚、佐久間和尚は悪党だが、確固たる信念があるねえ。
日本の未来のためにはこれしかないという信念が。
そこが魅力的で格好いいんだよね。

しかし、ま、ＮＨＫらしくキャストも凄いねえ。
脇も仲代達矢、キムラ緑子、佐野史郎らがいい味出している。
さすが。

香村は医学界の悪、佐久間は政界の悪。さてどんなふうに絡んでゆくのかな。結末を知らないので予測を立てようとしたら、なお混沌とします。両方ともに失脚するのでしょうか。

高齢化も少子化も問題。アフリカなどの貧しい国（死ぬ確率が高い）ほど出生率が高いのは、生物学的に種を存続する為だろう。日本の出生率の低さは日本の豊かさ（医療が充実＝死ぬ確率が低い）、種を多く残さずとも生きながらえる確率の高さから、生物学的に見れば理に適っている。しかし経済立国として若者が減って高齢者ばかりの国は問題多し。佐久間のように考える官僚がいてもおかしくないが現実では難しい。

若者が老人になったときに同じように言えるかだね。このドラマの落としどころはどこかな？たのしみですね。